みなさまの参考になりそうな書籍を担当者がピックアップして、毎月お届けするコーナーです。当センターにお寄りになったら、ぜひ手に取ってご覧ください。
今回は3月分です。もうすぐ追いつくかな(汗)。

『晴れ、そしてミサイル』
渡部 陽一、ディスカバー21、2023。
https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-2980-1

今月の一冊「晴れ、そしてミサイル」の表紙写真。
<本書の帯から>
戦場は日常でできている。
ウクライナ、イラク、アフガニスタン…
ニュースやSNSではわからない、
僕が見てきた戦争の「本当」。

<担当者から>
著者は「戦場カメラマン」の1人。この本の冒頭では、今まさに戦争をしているウクライナのキーウ駅で、家族との再会を喜び合う人たちの写真が載っています。また、キーウの人々の生活が描写されます。

戦争が起きている国に入ると、そこでは朝から晩まで緊迫しているわけではなく、日常の風景が広がっているとのこと。戦争の最中であっても、人々は仕事をしたり買い物をしたりしています。「そこで生活しているから」です。

でも、突然ミサイルが飛んできて、ビルが破壊されたり、人が死ぬことがある。つまり、戦いとふつうの日常が共存しているというわけです。著者が伝えたいことは、まず、「それが戦場の現実である」ということでした。

また、本書では、なぜ戦争が起きるのかを考察し、私たち庶民が平和のためにできることを具体的に提案しています。

多くの紛争国を取材し、国民・市民の目線から多くの生活者の写真を撮ってきた著者の語る言葉からは、生活者に対する、やさしいまなざしが感じられます。

個人的な感想としては、まず、生活者に密着した取材と目線は、市民活動にも通じるものがあり、好ましく感じました。

また、日本も紛争やテロリズムとは無縁ではないことが語られており、納得できるポイントでした。

一方で、取材するのは紛争の一方当事国であることから、やむをえないのでしょうが、著者がその国の主張を鵜呑みにしているんじゃないのかな?と感じる部分もありました。戦争している国が発表する情報は、バイアスがかかっていると考えるべきなのではないかと思います。

ともあれ、紛争地域(国)では、国民・市民の生活に重大な影響があり、しかも社会的に立場が弱い人が生命の危機に瀕するなど、重大な人権侵害にあうことが多いです。人道支援は必要ですし、妨害されるべきでないと思います。

世界のあちこちで戦争や紛争が起きています。平和や生命の尊さ、家族や仲間の大事さが改めて感じられます。リスクがないわけではないですが、今は平和な国に住んでいるありがたさを感じながら、活動に励みたいと思います。

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