みなさまの参考になりそうな書籍を担当者がピックアップして、毎月お届けするコーナーです。当センターにお寄りになったら、ぜひ手に取ってご覧ください。
今回が9月分です(遅れを取り戻しました)。よろしくお願いします。

『注文をまちがえる料理店』
小国 士朗、あさ出版、2017。
http://www.asa21.com/book/b314331.html

書籍の表紙の写真
<本書の帯から>
まちがえることを受け入れて
まちがえることを一緒に楽しむ
「認知症を抱える人」が接客をする
不思議であたたかいレストランのものがたり

<担当者から>
今回の1冊は、認知症を抱える人が店員をするレストランの話です。著者は、テレビ局のディレクターでもある小国士朗さん。

本コーナーの担当者は、認知症高齢者の後見人をしていたことがあり、以前から「注文を間違える料理店」ということばは知っていましたが、今回、書籍を初めて読みました。

認知症のケアで、本人が役割を持つことの重要性はしばしば指摘されます。役割を担い、居心地のよい居場所を得ることは、その人の人間性を保ちながら暮らせることにつながります。

本書を一読して思ったことは、人を人として大事にする考え方と、斬新な発想がうまく結びついたのではないかなということでした。

前半では、認知症を抱える人とその周囲の人(家族、サポートスタッフ、レストランのお客様、プロジェクトスタッフ)の物語が披露されます。あたたかい気持ちになるところです。

後半では、「注文を間違える飲食店」のプロジェクトの発端から、仲間(協力者)あつめ、プロジェクトの進め方が書かれていて、これは市民活動(団体)において、プロジェクトを進めるときにも、参考になるのではと思いました。

また、狙っていたかどうかはともかく、広報もトントン拍子にうまくいって、この料理店のコンセプトは社会に大きなインパクトを与えました。このあたりも参考になりそうです。

ところで、本書の「注文を間違える料理店」は不定期の営業(開催)ですが、三重県には、障害者をホールスタッフとして起用し、定常的に営業しているカフェレストランがあります。

正式な店名は長いですが、「シャイカフェ」と呼ばれています。

店員がはずかしがり屋でまちがえてしまうかもしれないけど、
ま、いいかと思っちゃうカフェレストラン、略して”シャイカフェ”
https://www.shycafe.com/


ここの施設長の話を聞く機会がありましたが、やはり「注文を間違える料理店」を知ったことが、「シャイカフェ」を始めるきっかけとなったそうです。

昼前後の時間帯だけですが、火曜日から土曜日まで毎日営業しているのがすごいと思います。オープンして1年ちょっとですが、長く続くとよいなと思います。

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