みなさまの参考になりそうな書籍を担当者がピックアップして、毎月お届けするコーナーです。
当センターにお寄りになったら、ぜひ手に取ってご覧ください。
今回もまだ遅れていて、7月分です。(汗)

『きみのお金は誰のため』
田内 学、東洋経済新報社、2023。
https://str.toyokeizai.net/books/9784492047354/

本が壁際に立てかけてある写真
<本書の帯から>
ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」。
大人も子どもも知っておきたいお金の教養小説。

<担当者から>
担当者は、お金について無知だという自覚がありました。
なので、「お金が果たしている役割」について知りたいと思っていました。

おりしも、この本は今、話題の本で、ぜひ読みたいと思いました。
結論から言うと、とてもお勧めです。

小説形式をとっているので、ネタバレにならない程度に紹介します。

ある大雨の日、中学2年生の優斗は、ひょんなことで知り合った
投資銀行勤務の七海とともに、謎めいた屋敷へと入っていく。
そこにはボスと呼ばれる大富豪が住んでおり、
「この建物の本当の価値がわかる人に屋敷をわたす」と告げられる。
その日からボスによる「お金の正体」と「社会のしくみ」についての
講義が始まる(出版元の紹介ページから)。


ボスから2人に対して、お金にまつわる3つの謎について、順に話があります。
1)お金自体には価値がない
2)お金で解決できる問題はない
3)みんなでお金を貯めても意味がない

どれも常識外れに聞こえますが、本書を読み進めていくうちに、「全体として見れば」これらが真実だということが分かります。
「個人の視点」と「全体の視点」で見かたが変わってくるんです。

担当者は「お金があれば多くのことが実現できる」と思っていました。でも、そうではない。

また、「お金によって人々が支え合える社会が実現している」など、多くのお金の特徴や役割の話があって、担当者は、目からウロコの事実の連続でした。

正直なところ、腑に落ちきっていない「謎」もありますので、時間を見つけて本書を再度読んでみたいと思います。

特に印象に残っているフレーズですが、
「お金の向こうに人がいる」、「生産力はお金で穴埋めできない」、「僕らが共有するのは未来」、「社会は僕ら自身が形作っている」です。

特に、最後2つのフレーズは、「市民活動」また、個人の生き方に直接つながってくるものだと思います。

ということで、ぜひご一読をお勧めします。

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