みなさまの参考になりそうな書籍を担当者がピックアップして、毎月お届けするコーナーです。当センターにお寄りになったら、ぜひ手に取ってご覧ください。
今回は遅れていて、6月分です。(汗)
『PTA、やらなきゃダメですか?』
山本 浩資、小学館新書、2016。
(電子版の情報)https://www.shogakukan.co.jp/books/09825255
<担当者から>
この本は、今年4月に紹介した『どこまでやるか町内会』の著者の、紙屋 高雪さんが「参考にした」と書いている本です。
PTAといえば、子どもが在学している間に一度は「順番が回ってくる」、「義務」と思われています(実際にはそうではありません)。「大変だからやりたくない」、「役員になるなんて」と、自治会に負けないくらい「強制的に」参加させられ、やむをえず関わっている人も多い組織です。
著者は、新聞記者の山本 浩資さん。多忙な取材記者として、地域どころか、家事や育児にもあまり関わっていなかったのが、「小学校のPTA会長を引き受けてもらえないか」という電話があり、「地域とのつながりも大事だから」と引き受けることになります。
その後、会長として地域のPTAの現状を知り改革を思い立ち、課題分析から順に実施していきます。
経営学の父、ドラッカーのビジネス書『マネジメント』からヒントを得て、PTAの改革に取り組み、最後には小学校のPTAから役員会や委員会をなくし、完全ボランティアでの運営を実現させます。
私自身はドラッカーの『マネジメント』は読んだことがないのですが、マネジメントの基本原則とされている書籍ですね。
担当者の個人的には、岩崎 夏海の『もし高校野球のマネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』のほうが、「もしドラ」としてコミックやアニメにもなっていて有名かもと思ったりはします。
本書の著者は、ドラッカーの本からヒントを得て、目的は何なのか、だれのための活動なのか(顧客、マーケティング)をきちんと考えて、改革(イノベーション)につなげています。
ついには、PTAは、完全ボランティア制のPTO(Organizaion、組織)として、運営されることとなるのですが、著者は、本書の中で、実際に自身が実施してきた取り組みや、そのポイントについて、とても具体的に説明しています。
担当者が印象的だったのは、著者が、子どもたちだけでなく子どもや学校に関わるすべての人(もちろんPTA役員を含む)が顧客であると考えていること、
また、それぞれの活動や改革についての著者の思いを、仲間である役員へ丁寧に説明し、同意を得ていることが、素晴らしいと感じました。
PTAだけでなく、非営利活動をしている多くの組織や団体に参考になるのではと思います。
ドラッカーの『非営利組織の経営』は持っています。だいぶ前に読んだはずですが、また空き時間があれば読んでみたいと思います。
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